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研修薬局紹介(たくみ外苑薬局)

たくみ外苑薬局・西村清志 薬局長

JR千駄ヶ谷駅から徒歩3分という都心にありながら、緑の多い一角にあるたくみ外苑薬局。現在、15名の薬剤師が在籍する大型拠点薬局です。
中堅、ベテランの薬剤師が多く、在宅医療を中心に各種認定薬剤師の取得や学会での演題発表など、レベルアップを目指して様々な活動に取り組んでいます。
また、未来の薬剤師を育てる育成拠点としての役割も担い、常に薬学生に向けた実務実習やインターンシップ、高校生向け薬剤師1日体験などを行っています。
さらに2014年度からは新入職員の調剤薬局研修先としても活動の幅を広げていく予定です。

地域の人々から頼られる薬局を目指して

――たくみ外苑薬局とはどのような薬局ですか?

たくみ外苑薬局は、隣接する代々木病院を中心に、近隣の大小様々な病院、診療所の処方箋を扱う保険薬局です。現在は、代々木病院の外来処方でも慢性疾患の高齢患者さんが増えており、一包化調剤や粉砕調剤、さらには精神病や糖尿病など剤数の多いものにも対応しています。

また、当薬局は単に外来の調剤をする場所ではなく、患者さんや地域の人々が薬や病気のことを中心に様々なことを相談できる、周りから頼られる薬局になることを目標にしています。

 

在宅訪問を通じて知って欲しい『薬の現場』

――他にも何か取り組んでいることはありますか?

当薬局では、地域の医師や看護師、ヘルパー、ケアマネージャーなどと連携して、10年以上前から在宅支援に取り組んできました。現在は5名の薬剤師がチームを組んで、独居や日中独居の高齢者、一人で通院ができない患者さんを対象に訪問服薬指導を行っています。

また、当薬局では未来の薬剤師を育てる育成拠点として、新入職員研修、薬学生の実務実習やインターンシップ、高校生向け薬剤師1日体験などを行っています。本格的な在宅支援に取り組む薬局はまだ少ないので、未来を担う皆さんにできる限りのことを経験してもらえるよう、在宅支援業務を中心としたカリキュラムを組んでいます。

――調剤薬局が在宅支援に取り組む意義についてお聞かせください。

高齢化が進む社会に、病院だけで対応していくことは厳しい状態です。これからは地域が医療の一端を担っていかなくてはなりません。その重要な役割を調剤薬局が担っていくことが今、求められています。
在宅患者さんに病院と同じ水準の医療を提供することは難しいかもしれませんが、それに近づくための努力はしていかなければなりません。より高度な調剤・製剤を行うための無菌操作装置「クリーンベンチ」の導入も、そうした想いがあるからです。
「たくみ外苑薬局」は、退院した後も患者さんに安心して治療を進めていただくために、病院との連携をより密に取りながら地域における本格的な医療活動の一端を担っていく方針です。

――在宅訪問を通して未来を担う新入職員や実習生に何を感じてもらいたいですか?

在宅訪問とは、実際に地域医療の現場に行くということです。その現場で薬剤師の使命を改めて考えてもらいたいですね。
薬局の窓口でいくら丁寧に薬の説明をしたつもりでも、患者さんのご自宅に伺うと飲めていないことが往々にあります。そうした現実を知った上で、薬剤師としてどうしていくべきか、またどうあるべきか、を考えてもらうために在宅支援はとても良い機会です。
また、学生が在宅訪問に行くことは患者さんにもとても好評なんです。もちろん、現職の薬剤師にとっても刺激となり、薬局内が活き活きとするなど、学生との交流は患者さんにとっても薬剤師にとってもプラスになっています。

さまざまな経験を通して薬剤師として成長できる場

――地域医療に貢献できる薬剤師を育てるために、どのような取り組みがありますか?

特に力を入れているのは、中堅・ベテラン薬剤師に向けた認定薬剤師取得奨励制度です。
当社では、より高度な専門分野を持つ薬剤師への成長を期待して、プライマリ・ケアや日本在宅薬学会の認定薬剤師などの資格取得を奨励しています。
また、日頃の頑張りを形あるものにしてほしいとの想いから、学会にもどんどん参加し、積極的に論文などを作成・発表する機会を設けています。

――新入職員に向けて行っている支援とは?

調剤薬局研修を通して薬剤師としての基礎力を身に付けていただくことはもちろんですが、eラーニングを使用しての勉強や活動交流集会での発表など、幅広い知識や経験を段階的に身に付けられる環境を整えています。さらには、外部の学習会や学界にも積極的に参加するなど、認定薬剤師の取得にも取り組めるように様々な支援を行っています。

――最後に、薬剤師を目指されている学生さんにメッセージをお願いします。

これからの薬剤師には医療全般に関する知識が求められ、会社としても支援制度を拡充させています。しかし、忘れないでください。知識以上に薬剤師に必要なことは、自分以外の誰かを想う人としての心です。
在宅支援を通して患者さんの現実を知り、それを支えるために全力を尽くすご家族や医師、看護師、先輩薬剤師の想いに触れてください。
真の地域医療は、患者さんをはじめすべての医療関係者の信頼関係があって初めて実現されます。ぜひ、さまざまな経験を通して誰からも信頼される人になっていただきたいと思います。